Singularity U Exponential TALKS@Kyotoに参加して思った、超AI時代における人間のアイデンティティ

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先日、Kyoto Impuct HubにてSingularity U Exponential TALKSが開かれました。

Singularity U Exponential TALKS@Kyoto-世界75億人の未来を変えるテクノロジーと人類の未来-

 

シンギュラリティについてお話しされたのは、人工知能に詳しい宇宙物理学の松田卓也先生。

 

松田先生といえば、シンギュラリティサロンの開催や日本発の超AIの提唱など宇宙物理学の教授でありながらも人工知能が築く社会像について広く講演会などを行っている人です。

 

いつもYoutubeなどで観ていて、「マトリックス攻殻機動隊の話を持ち出して話するなんてユニークな人だなあ」と印象のある人でした。

 

そんな松田先生のお話しが家の近所で聴けるなんて!と思い即参加を決定。

 

いよいよ当日、オープニングではシンギュラリティ大学が掲げるビジョンやExponational(指数関数的)思考についての話が。

 

 

シンギュラリティ大学のビジョン

シンギュラリティ大学とは、公式HPによると

本部をシリコンバレーNASAリサーチパークに置く、公益企業*、教育機関、シンクタンク。未来学者、発明家で人工知能研究の世界的権威として知られるレイ・カーツワイルと、フォーチュン誌の「世界で最も偉大なリーダー50人」の一人としても選ばれる起業家 ピーター・ディアマンディスにより、2008年に共同創設されました。 

といったコミュニティなんだそうです。(立ち上げた人がAIの権威......!)
シンギュラリティ大学では、
 
・Education
・Community
・Innovation
 
を3つの柱とし、
 

「10年で10億人を幸せにする」

 
ことをビジョンとして掲げているとのこと。(めっちゃすごい)
 
 

 松田先生の登場

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さて、オープニングが終わると早速松田先生がご登場。(この時僕のテンションめちゃ上がってましたw)

 

先生は以前より、日本から人類を超える汎用AIが出現するとおっしゃっているのですが、その理由は、齊藤元章さんの存在。

 

齋藤さんは元医師であった経験から脳の構造に詳しく、スパコンの開発によりAI分野をリードしていらっしゃる方です。

 

松田先生はそんな齋藤さんに大きな期待を寄せ、『人類を超えるAIは日本から生まれる』といった著書まで発行されています。

 

しかし、齋藤さんはつい先日、なんと逮捕されてしまいました。

(齋藤さんについて詳しくはこちら

 -> エクサスケーラー──天才・齊藤元章の肖像 | WIRED.jp

 

これにより、ハード面で成功した日本はますますソフト面の研究開発が周回遅れになっていきます。

 

松田先生は次に、『サピエンス全史』で有名なハラリの著書『ホモデウス』を取り上げ、AI時代の「神」の存在についてお話しされました。

 

まとめると、

・歴史上、「神」を目指していたのは富裕層。しかし、従来の社会構造では富裕層には民の存在が必要不可欠(税による支えなど)。

・AI時代では、一部の人間のみがAIとしてスパコンにマインドアップロードを行う。その時、「神」としての知能は民の存在を必要としない。

・AI時代にUseless Class(不必要階級)にならないよう頑張ろう(何を笑)。

といった内容でした。

 

 

人間のアイデンティティはどこに?

僕はこのお話しを含め、その後のANAAvatarプロジェクトの内容や翌日参加した本願寺でのイベントにお手伝いしにいったことなどから、人間のアイデンティティについて考えてみました。

本願寺のイベントはまた別記事でご紹介したいです!)

 

ポイント

1) 人間/AI相同性におけるクオリア規定
2) 現象の客体化
3) パラダイム(構造主義)と新時代構築

 

1) まず、人間とAIの違いを考えるとクオリアの問題は確実に浮上するなと。

例えば、人が京都の二条城を眺めた際、そこで歴史性や建築的な美しさ、都市の継続性など様々な属性から「二条城らしさ」を感じ取ります。

ただこの感覚をAIが持つことはできるのでしょうか?僕は大学で景観について勉強してたりするので、AIが土地に対するアイデンティティを持ってまちづくり行うといった未来がありうるのか、疑問に思いました。

 

2) 1)では、クオリアという人間の意識の現象について取り上げることで、アイデンティティの在り方を述べました。では、そもそも"現象"ってなんでしょう?「〇〇現象」という捉え方はもしかしたら、ある一つの見方で、「主客未分」や「自然状態」といったことがらを無視してしまっているかもしれないと思いました。

つまり、「〇〇って現象がクオリアです」という定義はあくまで人間側にしかなくて、AIにはAIなりの「クオリア」が形成され、土地へのアイデンティティが生じるかもなあという考えも浮かびました。

 

3) 2)で述べたように、AIがアイデンティティを持つのは人間と全く異なる論理が働くからだと思います。それはつまり、これからやってくる「超AI時代」において、松田先生が唱えるような汎用AIは、新たなパラダイムを打ち立て社会を動かしていくことでしょう。

 

 

まとめ!

久々めっっっっっっちゃ哲学しました!(脳がパンパン笑)もうお話し聞いている時も、自分で超AI時代について考えている時もとっても楽しかったです!

僕は哲学やAIの専門ではないのであくまで想像レベルでの思考に過ぎませんが、こういうことを考えるのはやはり楽しいものです。(^^)

 

皆さんは、2045年にはどんな社会で過ごしていると思いますか?

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